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Channel: 瓜田純士
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鰻重

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瓜田純士-DSC_0418.JPG

小さな頃から母子家庭だったから、





ウナギや焼き肉は贅沢で
寧ろ店の前を通ると立ち止まったりした。






杉並に飛ばされた時は




プレハブ見たいなスナックの二階に
なんとか三人で住み、





友達に家を見せるのが恥ずかしくて仕方なかった。





色んな人が思えば遊びに来た。





恥ずかしくて笑って誤魔化していた。







特に泰一郎にネタにされるのはキツかった。





同級生も良くあのボロい家をバカにしてネタにしていた。





俺も


『雨の日は天井がぶち抜けるんだぜ』



とギャグで誤魔化していた。






こないだ


お袋と鰻重を食べた。




何千円もする奴。







小さな頃から



どんなに貧しくても



食べ物にはキップよく使おう



が、お袋の考えだから



贅沢な鰻重を食べた。






鰻丼は嫌だ




なんか
重箱が豪華な気がするから。






父親に似ている事と、



お父さんは元気か?




と話しかけられる事が一番嫌だった。




今も嫌だ。








俺たちを捨てたのに、





俺に拳銃を買わしたりしていた。






後で原価を聞いたら

ガラス張りでも25万は抜いていた。








三人が家族だから、




兄とお袋と飯を喰うと、



癖で必ず会計の際に




『幾ら?


結構行ってない?』



がみんなの口癖だ。








分厚いステーキとか
見るだけで



食べる物とは考えてない。







貧乏自慢してるんじゃない。









贅沢が嫌いなだけ。







一つだけ小さな頃に消えた父親を評価できる所がある。










絶大なる影響力だった。







今は





とっくに俺には及ばない。








夏が終わる頃







家族三人で
俺の奢りで焼き肉でも食べれる頃










確実に父親の存在は消滅してるだろう。








俺からの"プレゼント"で。





ポケットに数千円と小銭で



たまに一万円札を握ると
お金持ちになった気さえする。









それほど




鰻重が嬉しかった。







来年も食べれますように。




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