『良く生きてるね』
若い時から良く言われてた。
レンガで頭を割られ
アイスピックが太股の奥に刺さり
22口径を足に貰った時も、
jaguarが表参道で爆発した時も
シーマで警察事轢いてガソリンスタンドで大破した時も
環七で事故り
脛から骨が飛び出て交差した子供の頃も
バールで肩を抉られた時も
指を食べた時も
飛ばした時も
身体中に金属やボルトが入ったり
顔にチタンが入ったり
切腹して背中迄包丁が入って大腸が飛び出ても
折れた手首と折れた小指を隠して
リングに上がったり
卑怯な連中に何度襲撃されても
何発刺されても
何度も脳座礁になろうと
いつも笑っていた。
たかだか知れてる
って。
一度も逃げた事は無くて
必ず一人で気付いたら救急車で
いつも笑って事項報告した後は
麻酔が切れても酒を浴びて来た。
昨夜、
明後日34になる。
郁也も英梨也の嫁さんも誕生日。
土砂降りの中、最初の嫁と
ムショ帰りに再会した時に
チャカを持ったまま
担いで教会に連れて行った。
半年後にそのチャカを
お袋に向けていた。
警察何十人に囲まれて
気付いたら閉鎖病院で皮手錠だった
マイナスドライバーで看護婦を人質に取り
院長に退院の口を切らせた
点滴でブクブクに肥えた身体を
一ヶ月で20キロ落とし
全てを失ったどん底から
一年掛けて
作家デビューして
アウトサイダーの旗揚げに出て
返り咲いた。
確かに破天荒かも知れない。
だから
『良く生きてるね』
と色々な人に言われるのは
何となく分かる。
"骨は折れても心は折れない"
"必ず一人でケジメは着ける"
其だけが全てだったし、
己の感が刀で、情報だけが若い衆でやって来た。
人には様々な生き方があり、
尊敬出来る人にどれだけ出逢えるか
で、大分強く成れる。
俺が尊敬する人間達は
信念がブレない。
裕の兄貴の
"俺は人を欺いて得た金で飯喰う位なら今すぐ死ねる
俺は両手が武器なんだ
左拳がチャカで右拳が刃物
心は矢尻と俺二人いるから負けないんだ"
海渡兄さんの
"えぇか
ワシわな
オヤジが凄い
家庭が裕福
其れで此処まで来たんちゃうぞ
己で揉まれて来たんや
ワシわな
たとえコジキやってもな
落ち目に成ろうとな
飯だけは一流の物喰うたると決めとんのや
今に見とれや
最後に笑うのはワシや"
5日に一年ぶりに逢う
伝説の先輩大澤秀高
"バカヤロウテメェ勘違いすんなよ
たかだか知れてるコシャ相手にすんな
キャバクラ行ったらメスブタ共には
小便飲ませろ
客の小便を喜んで飲めるホステスだけは一流だから次の日デパートで
ケリーでもバーキンでも借金してでも
段ボール分買ってやれ
幾らテメェが粋がってもたかだか知れてる
でもな
テメェはこの街の一番星になれ
コシャ相手にしないでスーパースターに成るんだよ
頑張れよたかだか純士
最後迄応援してるからな
皆
経験や場数が別格な人だから
一々格好いい。
確かに良く生きてた。
でもそれは
素晴らしい人に出逢えたから
まだ死ねないんだとわかった。
丁度今海渡兄さんから電話が来た
『お前誕生日何処でやるんや
住所教えぇや
薔薇を用意したんや
気持ちは断ったらあかんぞ』
色々あって
色々な人に出逢えて
自分
世界一幸せです。
昨夜、自分へのプレゼントで
贅沢して5000円する小銭入れを買った。
お袋から貰った靴にあわせた。
沢山の
有り難うを
次の本で
御返しします。
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アリガタイ
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