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見分けが
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付かない
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うぬぬ…
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チョコレート
一番最初の嫁にチャカを向けた事がある。
お袋にも。
書籍や映画にも名前が出てくるから書くが、
アケミは大きな声で叫んだ。
『やって見ろよ!』
お袋はアケミの肩を抱き寄せて
兎に角逃げなさい
私も逃げるから一緒に。
あの目を見たでしょ
もう人の目じゃない。
そう言って振り返るお袋に
『随分上等な口聞くじゃねぇか』
と言うとお袋は
『アンタ自分の親に
何様だと思ってるの?』と、
手を奮わせて言ったから
『俺様じゃねぇか』
と睨めつけたら目の前から二人が居なく成っていた。
数日後に実家に戻ると鍵を換えられていた。
備え付けの消火器で
玄関を壊して消火器を巻いた。
公衆電話から消防に掛けて
『バカな人間達が煙臭いから消火器巻いたけど鎮火したから通報来ても反応するなよ。
俺の実家だからよ』
そう言って切ってから
真夜中の道玄坂をひたすら歩いてた。
新宿から明治通りをずっとずっと歩いてた。
渋谷に着くと皆が五月蝿くて
俺は道玄坂でひたすら泣いた。
俺の愛情が分からないのか?
俺は狂ってるのか?
半端じゃなく泣いた。
百軒町のスカウトに
『俺は間違ってるか?
教えてくれよ』
と話掛けたら
『勘弁してください。』
と言われたから
道玄坂の下迄ひきづった。
小便を漫画の様に漏らしていたから
頭を何度も踏みつけて
またずっと歩いてた。
明治通り迄出て、原宿に出る
左目から涙が流れて
竹下通りの前でしゃがみこんだ。
体育座りしてたら原宿警察の制服が何人か来て
『お兄さん大丈夫?』
と言うから
『お前の兄より年上かも知れないのに何で上から物をい言うんだ?
殺すぞ警察官。』
と言うと目が合った。
警察官は目を反らして竹下通りの中に消えて行った
明治通りに戻ってからずっとずっと歩いてた。
足が擦りむけて痛くて何度か休んでは泣いた。
空になんか何にもなくて
何だか肌寒くて
足が擦りむけて痛くて痛くて
すーっと目を綴じてたーくさん考えて思い出して皆をたくさんたくさん想ってから目を開いた瞬間に感じた。
この街は死んでる
街が息をしてない。
強烈な不安と空虚な感情に怖くて哀しくなりすぎて
とぼとぼ歩いてた。
消火器の家に帰ろうって。
足がわらって来た頃に実家に戻ると
建物の上からアケミの泣き叫ぶ声が聞こえた
来たらダメ—って。
ポカーンと立ってたら
何台ものパトカーに囲まれて
救急車の前で麻酔を打たれて
目が覚めたら暗い病院のベッドで
全身を革の手錠で縛られてた。
そうか
そういうことか
愛してやまないお袋達に
一枚嵌められたのか
彼女達の脳の中では自分達が正しいと解釈が出来るんだ。
そうか
それは羨ましい
俺ももう喋るのを辞めよう。
俺がおかしいのか家族がおかしいのか
白黒付ける事もバカみたいだ。
だから殺そう
変な革の手錠みたいのが取れたら
家族を全員殺そう。
そう誓ったら強烈な安心感と安堵から
ゆっくり眠れた。
でも一年位病院にいた。
その一年前は刑務所にいた。
その四年前は歌舞伎町にいた。
何かの下手打ちでどうしても現金が必要で
ガソリンスタンドから金庫を奪って来て
昔の舎弟とバールで抉じ開けようと必死に成っていたらたまたまお袋が通った。
『何やってんの?』
『現金詰めないと指がバルタンになるから貯金箱開けてるんだよ』
舎弟が手を休めてたから
強烈にヤキを入れてたら
お袋が恐怖でひきつってた。
『どうした?
教育だよ教育』
お袋が言った。
貴方の目は人の目じゃない
その少し前に
逆らう触る軽々しいバカ供は
俺が名前を売るのを邪魔する不良も怪物も生き物もそいつらの大事な物も
全て殺すか拐うか刺すか弾くか奪るか以外に興味が無くなっていた頃
新宿警察の●暴の刑事に
お前の目は人の目をしていない。
と言われたのを鮮明に思い出した。
カチっとハマった。
そうか
目がおかしいのか
目が人から見て恐怖なんだ
だから病院に居るんだ
頭おかしいと思われるんだ。
手錠みたいのが取れて
閉鎖病棟の病室に移れた。
花瓶が傾いてたから手こずってなお直してから
ベッドに戻るとマロムが診察終わって部屋に来たから
精神病棟で出逢った友達に
ドクター何て?
大丈夫なのか?
マロムが言った
純くん
何で純くんはそんなに優しくしてくれるの?
何で純くんみたいなお兄ちゃんが
こんなところに居るの?
マロム
そこの花瓶が割れても ガラスの気持ちに成れない奴等に突っ込まれたんだよ
水をあげるのは自分らだけ
他人の喉の渇きはどうでもいい
そんな奴等が街を殺してるんだよ
退院したらそんな奴等と関わるなよ
マロムは詩をプレゼントしてくれた。
退院を強引に試みたら
成功した。
院長に挨拶の言葉を送った。
俺
頭の悪い人間嫌いなんすよ。
バカな人間は好きですよ。
その違いが解らないなら貴方は精神科は向いてない。
院長とは今でも友達
外に出た時に空を見た。
街が夢を見てた
俺も夢を見てた
ずっとずっと歩いてた道玄坂から一年掛かって
ず—っと走った。
本出して夢を叶えて北野監督に見せてお袋とは仲良くて
色々な事してたら
この街は生きてる
って感じたら笑顔に成っていた。
切腹したり
なんだかんだあって
最近めっきり夢を見ていなくて
昨日お袋にメールしたら
最近どうとかこうとか話したら
お袋が久し振りに言ってた
最近純士が例のスイッチ入ってると思ったから連絡しなかったよ—と笑ってたから言った。
だってな
今回の出版はこっちが恐怖に押されたら出せないレベルだからな。
死ぬ覚悟に成れないと。
昨日からずっと読み返してた。
沢山が込み上げて来て何かが悔しくて悲しくて空虚な感情に成ったら
恐怖と不安に押し潰された。
本当に遺書になるなって
自分の事を考えたくない
友達とか空気とか思い出とか
大事な人やそんなんしか考えられなくなって
病棟から六年経ったら
今さらながら
自分てなんだろう
何で皆自分自分なんだろう
何で全てを愛せないんだろう
そんな事考えてたら
街が息継ぎしてた
チョコレート買って来て食べたら
びーー—っくりするぐらい美味しくて
待受画面の裕の兄貴が笑ってて
部屋にある沢山の仲間の写真が優しくて
ふーって深呼吸したら
アイツから電話来て
そうしたら変なblog書いてた
絶対に此れを出すまで死ねないから
絶対に死なないで欲しいある兄と弟に
もう逢えないある先輩に
届け——————————————!
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third eye
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